気づいてあげられなくてゴメンね
ついに私の頭に10円ハゲが出来た。
写真は無いが、1円以下ハゲや500円ハゲ等次々現れた。
当の本人は「そう言えば最近シャンプーの時に、まるで産後のように髪が抜けてたなぁ~」と、まるで他人事のようだった。
いきなり烈火の如く怒鳴り、いつ物にあたるか分からない夫のそばに、常に緊張状態で一緒にいたため、ショックというよりは「そりゃそうだよな…」と。
美容院に行きづらくなり、私の頭はヤマンバのようになっていった。
帽子で誤魔化したり、上手くハゲが隠れるように、長い髪をまとめたりするのがうっとおしくなった頃、何気なくネットで「大声で怒鳴る人」と検索した。
そしてその時に生まれて初めて「モラハラ」や「自己愛性〜」という単語を目にした。
一般社会ではモラハラとされる要項に、次々ヒットする我が夫の行動。
気づいたら泣いていた。
私の心はモラハラにより痛めつけられ続け、ついに身体までが悲鳴をあげた。
しかし、そうなるまで心の悲鳴に気づいてあげられなかったのだ。
「身体までもが悲鳴をあげる前に、気づいてあげられなくてゴメンね。」と、自身の心に謝った。
夫は、私が我が子を養えるほど稼げないという事を己の強みとし、何かあれば「離婚」をちらつかせ、私は逃れられない奴隷のようになっていたのだとようやく気づいた。
確かに私は稼いでいないが、それは別に警察に捕まるような事では無い!
学歴や収入でマウントをとり、社会でやったら器物損壊で逮捕されるような事を家庭内で繰り返し、力ずくで家長に君臨している夫よりは、まだ私の方がマトモじゃないか?
その日から夫に隠れて、モラハラ関係の色々な本を読み始めたのだった。